2008年2月14日木曜日

野村 證券

裏切り―野村証券告発

本書の3分の2以上は、著者が野村で体験した事実を述べており、それはめっぽう面白い。難は、著者個人の詐欺事件に関わりすぎていることである。野村問題には本質的に関わらない事柄であるというほか、著者が過度に自己弁護しているためか、記述がまことに不明朗な印象を与える。この部分がなければ☆5つである。著者が「告発は野村の今後のために。」と正当化している点には同感できる。ただ、日本の金融界は、銀行証券保険を問わず、暗黒界とのつながりはあるのであって、とくに銀行は(興銀やUFJの一部の例外はあるが)それにより生じた不良債権の責任を問い詰められずに逃げ切っている。野村の対暴力団利益供与に対する制裁は、他業者との比較で特に(見せしめ的に)厳しかった、という印象を評者は持っている。

野村證券の総会屋利益供与事件を東京地検当局に告発した当人の作品。事件を中心に野村の汚点を露呈する作品かと思ったが、内容は作者が学生時代から野村に入っての個人の歴史、または野村に対する愛着を語っている。私小説としてよめばそれなりに面白い。

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